「東海社会学会」設立趣意書

 

近年、学部・学科の再編、大学院重点化などの諸施策により、東海地方においても、社会学を学ぶ学生や研究者が増えてきた。しかし、現状では、この地方を拠点とする社会学の学会がないために、学生や研究者が、教育・研究活動について情報交換をし、共同で取り組むなどの連携が十分でなく、社会学関連の教育・研究機能を持つ大学が集積している利点を生かしきれていない。

また、東海地方でも人・モノ・カネ・情報のグローバルな動きが盛んになり、こうした趨勢の中で引き起こされるさまざまな地域問題に対して、NPO法人などを主体とする市民が積極的に取り組み、市民と行政との協働も様々な分野で試みられている。社会学は近代における共同社会・市民社会の発展とともに成立した学問であり、学問的な成果を広く市民や地域社会に公開し、それを踏まえて実践していくことが求められている。また、社会学は、その学問的性格と対象領域の広さから、大学の社会的貢献の際に求められる学際的なアプローチを確立するという点で、諸学問間の連携体制を構築する触媒となる可能性をも秘めている。

このような現状や認識を踏まえるならば、いま求められているのは、①東海地方において、広い意味での社会学を専門に教育・研究活動を行っている学生・研究者の交流を促進する場を設けること、②東海地方で生じているさまざまな地域問題を研究し、その成果を広く公開するとともに、地域社会と大学・社会学研究者との連携を推進すること、③研究活動や社会的貢献を進めるうえで、関連する諸学問分野との学際的な体制づくりに貢献することであろう。

以上のような活動を通じて、社会学が関連する学問と協力し、大学(学問)の知的営為を市民とともに実践することで、活力ある市民社会の形成に資することを目的として、ここに「東海社会学会」を設立する。

2008年1月吉日

 

東海社会学会設立準備会代表 名古屋市立大学 藤田栄史

<呼びかけ人>(敬称略・大学/氏名五十音順)

【愛知大学】 樫村愛子 交野正芳 土屋葉 渡辺正 /【愛知学泉大学】 谷口功 /【愛知教育大学】 川北稔 /【愛知県立大学】 松宮朝 /【岐阜大学】 山崎仁朗   /【金城学院大学】 大山小夜 西山八重子 /【椙山女学園大学】 黒柳晴夫 鈴木俊道 /【中京大学】 芦川晋 小木曽洋司 /【東海学園大学】 宮本益治 /【名古屋市立大学】 飯島伸彦 /【名古屋大学】 黒田由彦 田中重好 丹辺宣彦  / 【日本福祉大学】 後藤澄江 陳立行 /【三重大学】 児玉克哉

 

 

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